サブスクリプションビジネスの構築:データを活用して組織を強化する方法

購読者像を具体的に考える

デジタルサブスクリプションのサービスを向上するには、購読者の人物像を特定し、購読者を中心に据えたデータの有効活用を進める必要があります。これは、潜在的な購読者層がオーディエンス全体のわずか一部である出版業界には特に当てはまり、出版各社は様々なプラットフォームやデバイスにわたって購読者像を特定し、データの追跡と分析をする必要があります。

データのサイロ化を解消し、真の潜在購読者層を洗い出す

サブスクリプションのライフサイクル(グロー(成長)、エンゲージメント(反応)、コンバージョン(獲得)、リテンション(継続))全体にわたって重要なトリガーを特定して有効化するためには、読者を包括的にセグメント化して捉える必要があります。しかし多くの企業では、レガシーシステムや社内システム、サードパーティシステムが混在しているため、データが一元化されており簡単にアクセスできる効率的なアーキテクチャを構築するのに苦労しています。データのサイロ化は、ユーザーの全体像を把握する妨げとなることも多々あり、結果的に、エンゲージメントやコンバージョンにおける先進的な手法の開発が進まなくなってしまうのです。

しかし、良い知らせもあります。顧客データ管理や分析の領域で使われるツールがここ数年でより利用しやすくなっていることはその1つです。ただ、レガシーシステムや他のプラットフォームとの統合は、依然として課題のまま残されています。費用対効果が不透明で何年もかかるアーキテクチャプロジェクトにおいて、途中で行き詰まることなく、購読者を中心に据えたデータの活用法を明確に定めるには、どうしたらよいでしょうか?

組織にデータを定着させるための4つの実践的なステップ

事業を滞らせる巨大なデータプロジェクトが、企業のデータ化の進展を妨げている例はよく目にします。

サブスクリプションビジネスでの成功を望む企業は、データの活用能力を高めるシステムを構築する際に、アジャイル方式を実践し、繰り返しのプロセスをとるべきだと当社は考えています。重要なのは、システムを構築することではなく、データ活用能力の構築に焦点を当てることであり、プロジェクトの初期段階から組織に価値をもたらせるようプロセスを進めるべきなのです。

  1. 可能な限り既製品のツールを活用し、小さい規模で始めましょう。まずは、重要な行動データと基本的なモデリング機能を含むセントラルリポジトリ(情報の一元保管場所)を構築し、データのサイロ化解消に取り組みます。サブスクリプションのライフサイクルにおける各段階で、最も価値のあるデータを都度見極める必要があります。仮説を立てて行動し、難しい選択も恐れずに進みましょう!
  2. ビジネスに具体的な価値をもたらし、データの力を示すインサイトは、初期段階で収集しましょう。潜在的な購読者は誰なのか? 彼らは何に価値を感じているのか? コンバージョンと相関関係にあるのはどのような行動か? リテンションについては? これまで誰も尋ねてこなかったような内容も含め、ビジネスにとって最も重要な問いの答えを導きましょう。組織の中には、データに対する抵抗感を強く感じる人もいますが、そうした抵抗感を解消する唯一の方法は、実用的で実行可能な知見をもたらすことです。
  3. これらのインサイトをもとに次のステップを決め、データロードマップを作成します。インサイトがビジネスにもたらす価値を念頭にプロセスを進めることで、取り込むべき最も重要なデータは何か、一元的なデータレイク(あらゆる情報をそのままの形式で保存できる格納庫)に接続すべき最も重要なプラットフォームは何かを特定することができるはずです。
  4. データの民主化を押し進めましょう。中核となる機能が固まったら、データの有効性を組織に根付かせるためのツールを構築するか入手します。各チームと協力して主な課題を把握し、それぞれのワークフローに沿った実用的なソリューションを開発します。

このプロセスが一直線に進むとは決して考えないでください。

データプラットフォームはカギとなるものであり、最初に取り掛かる項目としても適切です。ただし、組織が常に前進し、データの活用能力が継続的に発展することを望むのであれば、常に仮説を立てて行動し、繰り返すことでの成長を重視することが大切です。

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